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エスノグラフィックなインプット

エスノグラフィックなインプット

みんなであらかじめ撮影しておいたインタビューをビデオで見ています

豊かなアイデアを生み出すには、どんな情報をインプットするかが重要です。

インプットの方法はいろんな方法がありますが、ここではエスノグラフィという手法にヒントを得た方法を紹介します。

エスノグラフィというのは、もともと人類学で発展した手法です。人間の深い理解のために、伝統文化の中に観察者が入り込んでいき、時には生活を共にしながら、インタビューや観察を行うというものです。その結果書かれた観察対象文化に対する記述をエスノグラフィ(=民俗誌)といいます。

最近では、この手法を通常のビジネスに活用しようとする動きがあります。人類学のエスノグラフィと比較すると、観察対象が伝統文化ではなく、ビジネスが対象とする製品やサービスの利用現場となり、観察期間も人類学のエスノグラフィと比較すると現実性を考慮して短くなります。

ビジネスの世界では、定量的なデータを重視する傾向にありましたが、最近では、定量データだけでは、ユーザの実態がつかみきれないということで、定性データにも注目が集まっていて、エスノグラフィもこの流れの中で注目されてきています。

アイデアキャンプにエスノグラフィの要素を持ち込むにはどうすればよいでしょうか。いくつかの方法が想定されます。

1)実際に関係者にキャンプの場に来てもらい話をしてもらう

2)インタビューの様子を映像や写真に納め、キャンプの場で共有する

3)観察対象者に対して、自由回答が中心の定性的なアンケートを事前に記入してもらい、キャンプの場で共有する

実際のユーザの生声を聞くという観点では、1)も良質なインプットになりそうですが、エスノグラフィの本質は、観察対象者の文脈(コンテキスト)に入り込むということなので、2)の方が、観察対象者が話していることに加えて、その周辺にある状況を踏まえたインプットが可能になり、より豊かなインプットになることでしょう。観察対象者がどうしても素性を明かしたくないということであれば、3)の方法を有効ですが、質問文などの問いかけの設定を入念にデザインする必要があります。

エスノグラフィによるインプットの優れたところは、自分の想定を超えたインプットが得られ、自分が思い描いていた思考の枠組みを取り外すことができることです。これをリフレーム(re-frame)効果と言ったりします。

豊かなアイデア発想や、これまでにない新しい発想を得るためには、自分たちがもっている既存の思考のフレームをどのように壊していくかが重要になり、エスノグラフィックなインプットはそのための一つの有効な方法です。

Pubulished on : 2009/2/28 By : hri