京大型カードと京大式カード

DSCF0854

少し前のことになりますが,ゴールデンウィークに大阪で
 「梅棹忠夫と21世紀の『知的生産の技術』シンポジウム
というイベントが開かれました.
(2年前に開催されたウメサオタダオ展のエントリーはこちら

言わずと知れた梅棹忠夫氏による「知的生産の技術」は,1969年に出版された超ロングセラーです.インプットした情報からどのように情報をアウトプットしていくか.長年にわたる模索の中から編み出された方法が提案されました.その中で提案されている文房具がB6サイズのカードと名刺サイズのこざねです.

今でも京大式カードとして売られているB6サイズのカードですが,梅棹氏が使っていたカードは特注で作ってもらったものだそうです.国立民族学博物館に残っているその特注カードを,特別に数枚譲っていただくことができました.

じつはこのオリジナルのカード,大手メーカのコレクト社から売られているカードとは,少し紙質が違います.コレクト社のものは表面がつるっとしていて,ボールペンで文字を書くのが合いそうです.梅棹氏オリジナルのカードの表面はざらっとしていて,画用紙に近い風合いです.
↑に2つのカードの写真をのせました.左上側がオリジナルで,右下側が京大式カードです.↓はもうちょっと拡大した写真です.違いが伝わるでしょうか…?

DSCF0858

ずっと秘書をされていた方によると,文字だけでなく絵も描きたくなるように,そうした紙質のものを選んでおられたとのこと.みんぱくの館長を務めておられる小長谷先生によれば,売ってるのは「京大式カード」で,オリジナルは「京大型カード」なんです!とのこと.
こういう小さな違いを気に出来るようになれば,知的生産の技術者としての腕も上がることでしょう.

シンポジウムに参加させていただくにあたって「知的生産の技術」を何度も読み返してみました.まえがきのp.20にあった次の一節です.

この本は、いわゆるハウ・ツーものではない。こ の本をよんで、たちまち知的生産の技術がマスター できる、などとかんがえてもらっては、こまる。研究のしかたや、勉強のコツがかいてある、とおもわれてもこまる。そういうことは、自分でかんがえてください。この本の役わりは、議論のタネをまいて、刺激剤を提供するだけである。
(略)
知的生産の技術について、いちばんかんじんな点は なにかといえば、おそらくは、それについて、いろいろとかんがえてみること、そして、それを実行してみることだろう。たえざる自己変革と自己訓練が必要なのである。

いろんな方法を色々とやってみては,自分なりにしっくり来る道具と方法の組み合わせを編み出してゆく.そのバージョンアップのプロセスを書いているのが「知的生産の技術」という本である,ということを改めて認識しました.
アイデアキャンプも色んな形に派生してバージョンアップさせていきたいものです.

梅棹氏にまつわるシンポジウムはfacebookのページもあります,要チェックです!
[21世紀の「知的生産の技術」]


Comments are closed.